なぜそうなるか

ノートパソコンは、小型家電の回収にも出せる?——国の回収ガイドラインは、パソコンを「個人情報対策を行うことができる市町村に限り」回収するものとしていました

役所の窓口の近くや店先に、小さな家電を入れる回収ボックスが置かれていることがあります。スマホやデジカメなら入れられそうだけれど、ノートパソコンも入れていいのか。そこで手が止まる人は多いと思います。

メーカーの回収に申し込む流れと、PCリサイクルマークの話は、前の記事でパソコン3R推進協会の頁から読みました。今回は、もう1つの道にあたる、小型家電リサイクル法の側から見ていきます。

手がかりにしたのは、小型家電リサイクル法と、その施行令の条文です。どちらも e-Gov法令検索で、2026年9月27日の時点のものを読みました。

あわせて、環境省と経済産業省が市町村や小売業者に向けて出している「使用済小型電子機器等の回収に係るガイドライン」も読んでいます。読んだのは平成30年6月の Ver.1.2 で、これがいまも使われている版かどうかは確かめていません。

ガイドラインは、消費者向けの案内ではなく、回収する側が何をするかを書いた文書です。そのため、この記事でも、回収する側の決まりから、出す側に関わるところを拾う形になります。

あなたの住む市町村が、パソコンを回収しているかどうかは、この記事では判断していません。それは市町村ごとに違う、というのが読んだ資料の書き方でした。

この記事でわかること
・小型家電リサイクル法の施行令は、対象の品目にパーソナルコンピュータを挙げている
・ガイドラインは、パソコンを、個人情報の対策ができる市町村に限って回収するものとしている
・回収ボックスや回収車両に付くマークで、国の制度の回収かどうかを見分けられる
・出す前にデータを消しておくことが、ガイドラインの考える一番よい形

パソコンは、小型家電リサイクル法の対象なの?

パソコンにも、小型家電の決まりが当てはまるの?

施行令の第1条は、対象の品目を28の号で並べ、その第6号が「パーソナルコンピュータ」でした。

法律の第2条は、対象になる機器の範囲を政令で定める、と書いています。使い終わった機器の呼び方も、同じ条で決めていました。

この法律において「使用済小型電子機器等」とは、小型電子機器等のうち、その使用を終了したものをいう。

その政令にあたる施行令の第1条に、電話機、携帯電話、デジタルカメラなどと並んで、パーソナルコンピュータが入っています。第7号には、磁気ディスク装置などの記憶装置も挙がっていました。

メーカーの回収とは、別の決まりなの?

ガイドラインは、パソコンについては、資源の有効な利用の促進に関する法律に基づくメーカーの自主回収が先に行われている、と書いていました。そのうえで、そうした取り組みもあわせて、できるだけ多くの機器の回収を進めることが大事だ、という書き方です。

市町村の回収ボックスに、入れてもいいの?

回収ボックスにパソコンを入れても、断られない?

ガイドラインは、パソコンを個人情報の対策ができる市町村に限って回収する品目としていました。

ガイドラインの個人情報の章には、携帯電話とパソコン(タブレットを含む)を特に挙げた一文があります。ほかの品目より多く大切な個人情報を含みやすく、復元のソフトもあるので、データを完全に消すのがたやすくない。そのため、次の頁以降の個人情報対策を行える市町村に限って回収する、という内容でした。

市町村の側の務めは、法律の第5条第1項に書かれています。

市町村は、その区域内における使用済小型電子機器等を分別して収集するために必要な措置を講ずるとともに、その収集した使用済小型電子機器等を第十条第三項の認定を受けた者その他使用済小型電子機器等の再資源化を適正に実施し得る者に引き渡すよう努めなければならない。

「努めなければならない」という書き方で、すべての市町村に同じ回収を義務づける形ではありませんでした。どの品目をどう集めるかは、市町村ごとに違ってきます。

回収のやり方には、どんなものがあるの?

ガイドラインは、市町村が今の分別収集に加えて行う回収の方式を、7つに整理していました。

市町村が現行の分別収集体制に加えて実施する使用済小型電子機器等の回収方式としては、「ボックス回収」、「ステーション回収」、「ピックアップ回収」、「集団回収・市民参加型回収」、「イベント回収」、「清掃工場への持込み」、「戸別訪問回収」の7つの方式が想定されます。

店先や庁舎で見かける箱は、このうちの1つ目です。

ボックス回収とは、市町村が回収ボックス(回収箱)を様々な地点に常設し、排出者が使用済小型電子機器等を直接投入する方式です。

国の制度の回収かどうかは、どう見分けるの?

空き地で「無料回収」の旗を見かけた。あれも同じ?

ガイドラインは、制度の回収であることを示す「小型家電再資源化マーク」を作ったと書いていました。

マークを作った理由は、次のように書かれていました。

そこで、本法に基づき大臣認定を受けた事業者であること、又は、小型家電の分別収集を行う市町村であることを示すマークとして、「小型家電再資源化マーク」を作成することとしました。

マークは2種類あり、国の認定を受けた事業者が使うものと、分別収集を行う市町村が使うものに分かれています。どこに付くかは、続く一文にありました。

市町村や認定事業者(及びその委託先)は、回収ボックスや回収車両、看板等に本マークを表示することで、消費者に対し安心して廃棄できる場所を明示することができます。

ガイドラインには、市町村が違法な回収の事例を示しながら、適正な回収の道へ出すよう呼びかけてほしい、という一文もありました。旗を立てた回収がどちらにあたるかは、この記事では判断していません。

お金はかかるの?

料金について、ガイドラインは一律の答えを書いていませんでした。

市町村・消費者が認定事業者に引き渡す個々の局面において、有償/無償/逆有償のいずれになるかは、個々の契約によって決まります。

市町村の回収に出すときの料金は、市町村の案内で確かめる必要があります。市町村ごとの料金の表は、読んだ資料のどこにも載っていません。

出す前に、データはどうするの?

回収の箱に入れる前に、何をしておけばいい?

ガイドラインが一番よいとしていたのは、データを消してから出してもらう形でした。

使用済小型電子機器等を回収するにあたり、市町村がとるべき対策としては、消費者に対して個人情報のデータを消去した上で排出することを周知徹底し、個人情報を含まない状態にした使用済小型電子機器等を回収することが最も良いと言えるでしょう。

続く文は、消されないまま出される機器があることも前提にしています。

しかしながら、個人情報が含まれた状態で排出される使用済小型電子機器等も回収することが考えられるため、回収時及び保管時にも十分な対策をとることが必要です。

出す側の務めは、法律の第6条にあります。

消費者は、使用済小型電子機器等を排出する場合にあっては、当該使用済小型電子機器等を分別して排出し、市町村その他使用済小型電子機器等の収集若しくは運搬又は再資源化を適正に実施し得る者に引き渡すよう努めなければならない。

データの消し方の手順は、読んだ条文とガイドラインには書かれていませんでした。前の記事で読んだ総務省の頁が、この点を扱っています。

よくある質問

回収ボックスの口に、ノートパソコンが入りません

箱の大きさの決まりは、ガイドラインの回収方式の説明にも見当たりませんでした。入らない大きさの物をどこに出すかは、市町村の案内で確かめてください。

会社で使っていたパソコンも、市町村の回収に出せますか

法律の第7条は、事業活動で出た機器について、認定を受けた者などに引き渡すよう努める、と事業者の務めを別に書いています。市町村の回収の対象になるかは、この記事では判断していません。

PCリサイクルマークが付いていれば、どちらに出すのがいいですか

どちらの道を選ぶかを比べた記述は、読んだ資料にはありませんでした。メーカーの回収の流れは前の記事で読んでいます。

この整理が変わる条件

パソコンと小型家電の回収のめやす
・施行令は、対象の品目にパーソナルコンピュータを挙げている
・ガイドラインは、パソコンを個人情報の対策ができる市町村に限って回収するものとしている
・回収の方式は、ボックス回収など7つに整理されている
・制度の回収には「小型家電再資源化マーク」が付く
・データを消してから出すのが、ガイドラインの考える一番よい形

出典

回収に出す前に、住んでいる市町村の案内で、パソコンが回収の品目に入っているかを見てください。

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